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今枝弁護士への極私的指摘 [光市事件]

橋下弁護士が懲戒請求発言をした「たかじんのそこまで言って委員会」から、懲戒請求裁判の原告である今枝弁護士に出演依頼が来たようだ。
今枝弁護士ご本人が出演したい意向であるとブログで表明していたので、出演をお勧めしないエントリーを書いていた。が、長文だったため、時間をかけて書いている間に今枝弁護士が出演を断念された(笑)
私が言うまでもなく「やめてください」の意見が殺到したようである。そりゃそうだろ。

エントリー自体は、偏向報道を可能にする技術・システムの問題も絡め、一般的なメディア論の視点から書いたので、一応アップだけしておきます。
出演断念を踏まえない時点での文章としてお読みください。

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この件については反対されて当然だし、個人的にはそもそも悩む気持ちが感情的に理解できません
ただ、今枝弁護士は司法における情報公開について元々感心の高い方のようだし、裁判員制度を前に「メディアとどう向き合うか」が重要課題の一つであることは確かだから、その辺のお考えもあってのことでしょう。
それにしたって番組が悪すぎると思いますが。いや、あの番組で懲戒請求を呼びかけてるから仕方ないのだけど、あの発言をカットしない番組だからこそ「出たらヤバイんじゃ」と思うわけです。
まぁ、出演について私がアレコレ言うのも変な話です。ただ、一応は映像製作っぽいことを勉強している立場から、技術的・システム的な危惧だけ指摘しておきます。

さて、今枝ブログより。
>いわば「敵地」で闘うからこそ意味があると思うのですが、甘いでしょうか。
甘いです。
まず大前提として、録画形式の番組の場合、出演者がスタジオでいかに振舞おうと、それによって放送内容の偏向性を制限出来ることは、残念ながらほとんどありません。どんなに上手く自己演出をして正しいことを言っても、です。

具体的な仮定の上で話してみましょう。
例えば、橋下さんと今枝さんが対話しているとします。
A:橋本さんが今枝さんを理屈で問い詰めます。
B:しかし、今枝さんは論理の矛盾をいくつも指摘し、かなり有効な反論をしました。
C:一方、まったく別の話題のとき、今枝さんは出演者から差別的な罵詈雑言を浴びせられました。
D:いくらなんでも頭に来た今枝さんですが、感情的になったら負けだと思い、苦渋の表情で耐え忍びました。
さて、この仮定における今枝さんの様子がそのまま放送されれば、論理的に有効な反論を行い、罵詈雑言を浴びせられても耐え忍ぶ姿は、一定の人に良い印象を与えるかも知れません。
しかし残念ながら、物事はそう簡単ではないのです。
例えばシーンB(反論)とシーンC(罵詈雑言)を削除し、シーンAの橋下さんの発言音声(問い詰め)と、シーンDの今枝さんの表情映像(苦渋)を重ねて放送したらどうでしょう。
あっという間に「橋下さんに問い詰められ、苦しい表情になる今枝さん」の出来上がりです。
そんなバカなと思われるでしょうが、これくらいの編集はあり得ます。バラエティー番組だけでなく報道番組でも、話している内容(音声)と、それを聞いているように見える表情(映像)が、実は全然違う話を聞いてる表情(映像)であることは日常茶飯事です。

VTRはいかようにも編集できてしまう、恐ろしいものです。
インタビュー取材なども、1時間聞いて使うのは1分、なんてことはザラですから、本人の意図に反して本題とかけ離れた部分だけが使われたり、前後関係を無視して刺激的な言動ばかり取り上げられるのも珍しいことではありません。その辺りは、弁護側主張の本当の真意と、放送内容の食い違いで、既にイヤというほど経験されているかと思います。
その上、該当番組はVTRにおいてテロップ・音楽なども頻繁に使っていますから、スタジオ内では流れなかった映像などを差し挟めば、そりゃもう印象からなにから変え放題でしょう。
つまり、実際の放送内容について決め手となるのは「スタジオで何が行われたか」ではなく、「スタジオで起こったどの部分を削除し、どの部分を強調して、何がどう"行われたように見せる"か」という製作側の意図=編集なのです。
自分を褒め称えてくれる番組を望んでいるわけではないにしろ、やはり編集されてしまう録画形式の番組では、「事実と異なる姿」に歪曲されてしまう可能性が大いにあります。少なくとも、技術的にそれは可能です。

また、仮に末端のスタッフが「聞く耳をもった良い人」であっても、上層部の意見と対立する場合、現場の考えが放送に反映されることは、まずほとんどありません。
「たかじん委員会」はスポンサーを設けていない(番組中のCMはスポットのみ)ため、他の番組より一層、視聴率重視の体制にならざるを得ません。取り上げる内容を問わず、事実が確定していないのに断定的な発言が繰り返されたり、「暴言」「罵倒」「差別発言」を多用した刺激的な内容となっているのは、そうした製作システムから来る部分もあると個人的には考えています。つまり数字を取るために、単純化・過剰演出をせざるを得ないということです。
懲戒請求発言そのものに対しても、私は現場レベルでなら「これ流したらヤバイんじゃねーの?」という意見があったと推察しています。しかし、仮にそうした意見があっても、従来の番組方針からして黙殺されたでしょう。もしくは、そうした疑問を持つ人が一人もいない番組である可能性もあります。

といったコトから、個人的には番組出演をお勧めしません。
それでも尚、「わずかでも理解が広がる可能性があるなら出演したい」と仰るなら止めません。
個人的には「理解の広がり」より「誤解の広がり(によるバッシング再激化)」の公算が強いとは思いますが。


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コメント 8

今枝仁

おっしゃるとおりですね。

真剣に心配してくださる方が多数おられ、嬉しかったです。
by 今枝仁 (2007-10-05 07:20) 

NO NAME

上の意見は生にすればほぼ解決。ww
by NO NAME (2007-10-05 10:57) 

永遠一季

はじめましてですがコメントをいれさせていただきます
NO NAMEさんに追随しますが、(まあ倍率は低い&ほとんどコネレベルですが)番組をスタジオ観覧すれば、このへんの問題はすべて吹っ飛ぶと思います
ぜひとも見てみたいです、見たかったです

横レスにしかならないですが、自分の意見を世論に流されないで貫いてほしいと思います
流されるなら、世間の怒りにも耳を傾けて流されてほしいです
あれほど自己の意思を貫くのに、今回ばかりは不出演賛同者の意見に応えて出演しないでは、普段見せる法廷での姿勢がポーズではないかと、不信感をおぼえます
by 永遠一季 (2007-10-05 17:51) 

しく

たかじんの・・・に関してはタックルなど同種の番組と違ってカットはほとんどありませんよ
収録時間がほぼ放送時間ですから・・・
恣意的な編集はこの番組に限ってはできません。
生にしないのは出演者が意識せず発言しやすいようにと言う配慮とともに、
絶対的な失言が生で垂れ流しになる事をことを防ぐためです。
私は今枝先生の意見を聞きたいですね。
by しく (2007-10-05 22:00) 

sasakich

うちは今枝さんとは無関係なパンピーブログなので、今枝さんへのコメントをここに書かれても返信しにくいと思いますが・・・。
まぁーお好きにどうぞ。
by sasakich (2007-10-05 22:18) 

tanaka

一般人としては、私もテレビでご意見を伺ってみたかったです。自分に近い人間の中では出演するべきでないという意見が多かったのでしょうけれど、世間の多くの人は、言いたいことがあるならテレビで堂々と言ってみろと思っているでしょう。あのブログは何を言いたいのか良く分からず(周囲の38人の弁護士?には分かるんだろうけど)、直接言葉で説明して下さった方が10倍は国民に伝わると思います。
by tanaka (2007-10-06 17:10) 

チャメシ

初めまして
今枝弁護士には是非TV出演して頂き、思いの全てを世間に伝えて欲しいと思います。
世間とぶつかり合わなければ、理解が生まれることはありません。
国民に伝える努力をすべきと思います。
by チャメシ (2007-10-07 23:09) 

天性の庇護者

たびたびすいません。

みんな甘い。
番組なんて編集で何とかなるからね。
世間とぶつかる必要はなし。
テレビにでるのはおもうつぼ。
朝生で右の人がつるし上げにあったときも正直醜悪さを感じたが、
同様の番組構成にする委員会もね。
ただ、委員会は多数決をとらないのがいい。
だが、橋下の世間様発言でみんなおじゃん。世間様っていわれたら、朝生にでなさい。朝生にでたくないといって三宅さんもでなくなったくらい朝生は左の話し場。保守のたまりばでの発言しかできんのかといいたい。
僕は一度でいいから朝生に出て欲しいよ。でて戦えってんだ。世間様味方にいないと発言できない保守と世間様がズレてるって保守が苦しいときに主張していた人たちとは同じ尺度で見たくないです。

ま、橋下は将来的には左に転向するとみた。理由、世間様におまかせだから。世間様なんて無責任ってことをいつになったらマスコミは理解できるのだろうか?つかわかっていて主張しているのならなお悪質。
by 天性の庇護者 (2007-10-09 18:41) 

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